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ステイトメント| STATEMENT
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鳥取県立博物館は、昭和47年の開館以来今日まで、調査研究に基づく資料の収集や展覧会及び教育普及プログラムを通して、文化芸術を保存し、次世代へ継承していくための活動を行ってきました。これをさらに広げ、これからのミュージアムの可能性を開く試みとして、2017年にシリーズ展「ミュージアムとの創造的対話」を開始しました。本シリーズでは、ミュージアムを巡る問いを契機に、国内外の優れたアーティストによる実験的で多彩な表現を展示室の内外に展開させることで、思考を促し、人やモノ、場との対話を重ねながら、その現代的な意味を探ることを目的としています。
第3回目の今回は、ある個人コレクターのコレクションと、当コレクションに収集されているアーティストによる新旧作の展示を通じて、美術作品における「価値」とは何か、それはいつどのように作られるのかについて考察します。「アーティスト」たちは、自らのアイデアや知見を頼りに、様々な素材を用いて作品を制作し、新しい「価値」を提示する存在です。
一方、「ミュージアム/美術館」は彼らの作品を展示したり収蔵したりすることで、なんらかの歴史的あるいは美学的な価値を見出し、時にその価値を高める役割を果たします。それは単に作品を展示する物理的な空間―ハコ―だけではなく、作品を収集、保管し、研究を重ねることで、価値を創出する制度であり、権威とも言われてきました。「コレクター」もまた、作品に何らかの価値見出しそれを集めるという点でミュージアムの姿と重なりますが、その目的は各々のコレクターによって異なります。とりわけ同時代の作品をコレクションすることについては、ミュージアムに先駆けて価値づけを行い、あるときはアーティストの作品の理解者として、またある時は経済活動を支えるパトロンとして、大きな社会的役割を担っています。今回の展覧会で紹介する「Aコレクション」は、1980年代から日本の現代アートを中心に収集が始まり、現在では数百点にのぼります。特徴的なのは、数十年にわたって特定の作家の作品の変遷を見続け、作品購入を通じた支援だけでなく、作家活動のアーカイヴやプロジェクトへの参画まで活動を広げていることです。
本展では、ミュージアムという展示施設でこの秘蔵のコレクションを公開するのと同時に、現在進行形で進化するアーティストたちの新作を紹介することで、その価値を検証し、それが創造される契機としたいと思います。
出展アーティスト
(アルファベット順)
- 赤塚祐二
Yuji Akatsuka
- ヨゼフ・ボイス
Joseph Beuys
- チェン・ルオビン
Chen Ruo Bing
- アンソニー・カロ
Anthony Caro
- 藤澤江里子
Eriko Fujisawa
- 藤原勇輝
Yuki Fujiwara
- 福留章太
Shota Fukudome
- 原口典之
Noriyuki Haraguchi
- 張替正次
Shoji Harikae
- 井垣秀夫
Hideo Igaki
- 石田貴裕
Takahiro Ishida
- 小林正人
Masato Kobayashi
- 古賀亜希子
Akiko Koga
- 黒川弘毅
Hirotake Kurokawa
- サーシャ・マリャノヴィッチ
Saša Marjanović
- 丸山直文
Naofumi Maruyama
- 松澤宥
Yutaka Matsuzawa
- サイモン・モーレイ
Simon Morley
- 村上友晴
Tomoharu Murakami
- 村岡三郎
Saburo Muraoka
- 中村宏太
Kota Nakamura
- 大塚泰子
Yasuko Otsuka
- PH スタジオ
PH STUDIO
- アレクサンドル・ロトチェンコ
Alexander Rodtschenko
- 関根伸夫
Nobuo Sekine
- リチャード・セラ
Richard Serra
- 鷲見和紀郎
Wakiro Sumi
- 竹川宣彰
Nobuaki Takekawa
- ミラン・トゥーツォヴィッチ
Milan Tucović
- リ・ウーファン
Lee Ufan
- 若林奮
Isamu Wakabayashi
- 渡辺英司
Eiji Watanabe
- 山井隆介
Ryusuke Yamai